創傷ケアセンター - 医療法人社団 緑成会 横浜総合病院

創傷ケアセンター

創傷ケアセンターについて

創傷ケアセンターは心臓血管外科を中心に循環器内科、形成外科、糖尿病内科の各医師や創傷専門の看護師、血液診療専門の技師、理学療法士、栄養士などそれぞれの専門家で構成されたチームで対応します。

米国の新進的な臨床ノウハウを用いて総合的な治療計画のもと、必要な血行再建、デブリードマン(壊死組織や不良肉芽の除去)、除圧治療、軟こう治療、陰圧閉鎖療法、血糖コントロールなどを行い下肢切断を防いでいます。

 

潰瘍の原因のうち、糖尿病は血行不全と神経障害を伴うことが多く、病気への感染のしやすさが問題となります。同センターでは足を診ると同時に栄養状態、血流、神経障害の評価、合併症である腎機能障害や網膜症、虚血性心疾患、脳血管障害の有無を確認するなど、多方面からアプローチ治療プログラムを作成し対応しています。

 

疾患紹介と患者実績

閉塞性動脈硬化症に伴う下肢潰瘍

動脈硬化により血管が詰まってしまうと血流が悪くなり、組織に酸素や栄養が届きにくくなるため、足先などに潰瘍ができやすくなります。壊死に陥ると足先が冷たくなって黒くなり、強い痛みを伴います。閉塞性動脈硬化症(血管が固くなって詰まる病気)と診断された場合は、足先に潰瘍や壊死ができやすい状態です。

 

糖尿病性潰瘍および壊疽

糖尿病性潰瘍、壊疽(組織が死んでしまい黒くなっている)糖尿病により手足の先の血流が悪くなって靴擦れなどから傷になり、神経のしびれや知覚の低下により、傷に気が付かないことが多くなります。 このことが傷をさらに悪化させてしまいます。糖尿病は細菌に対する抵抗力を低下させてしまいますので、傷から細菌が身体に入ってしまい、骨まで細菌に感染してしまいます。一度感染してしまうと、早いスピードで感染が全身に広がり、最悪の場合は死に至ることもありますので、早い時期での治療が重要です。

 

静脈不全に伴う下腿潰瘍

心臓から送られた血液は動脈を通って各細胞に酸素と栄養を送ります。
その後、静脈を通って肺に運ばれるのですが、静脈弁 の機能低下などの異常があると古くなった血液が逆流し、滞って足に溜まってしまい、浮腫が出現し、結果的に皮膚の細胞が壊死してしまいます。膝からくるぶしまでの間が酷くむくんで皮膚の色が悪くなり、しまいに潰瘍になったりします。

 

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治療紹介

局所陰圧閉鎖療法(NPWT)

傷口を保護して陰圧状態をつくることにより、肉芽組織の形成を促進し、同時に、創縁を引き寄せて、過剰に滲出液の除去、感染性物質の除去を行い、創傷治療を促進する治療法です。 2010年4月にV.A.C.システムが保険適応になりました。

多血小板血漿療法(PRP)

何週間も治らない創傷に、より安全かつ有効な治療法の一つとして PRP(多血小板血漿)療法があります。 これは患者様ご自身の血液から取り出された血小板を濃縮し、 その中に含まれる成長因子(新しい細胞を作り出す)で傷を治すというものです。
PRPは治り難い慢性創傷の他、歯科治療、しわの改善等の美容外科、骨の再生など様々な治療において優れた有効性が認められてきています。 またPRPはご自身の血液を使用しますので安全性が高く、何回も繰り返して行うことができる療法です。

マゴットセラピー(MDT)

マゴットセラピー(MDT)マゴットセラピー(マゴット療法)とは、壊死した皮膚に生きたハエの幼虫(蛆虫)をガーゼとともに固定して行う創傷治療法です。 幼虫が腐敗した部分を食べ傷をきれいにするとともに、幼虫の唾液に含まれるたんぱく質が微生物を殺す役目を果たし、傷を無菌化状態にし、患部の回復を早めます。マゴットセラピーは糖尿病などで足が壊死する「難治性潰瘍」で切断しか治療法のない患者さんに対する治療法として注目を集めています。
蛆を利用した治療法は古学書にも見られ、近代史においても利用されていましたが、
抗生物質の登場により1940年代にいったんは姿を消しました。 しかし、複数の抗生物質が効かない多剤耐性菌の広がりによって欧米で復活した経緯があります。 患者はいずれも他の医療機関で「即足切断か足切断の可能性あり」と診断されたが、治療の結果、足切断せずに済んだといいます。

医師紹介

東田 隆治/Ryuji Higashita

創傷ケアセンター長

心臓血管外科部長

PROFILE
  • 金沢大学(1989年卒)
  • 東京女子医科大学第二病院
  • 北関東循環器病院
  • コロラド大学(米国)
  • 滋賀医科大学
  • 医学博士
  • 日本フットケア・足病医学会認定師・評議員・理事
  • 日本外科学会外科専門医
  • 三学会構成心臓血管外科専門医
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 心臓血管外科修練指導医
  • Fellow of the Japanese Coronary Association (FJCA)
  • 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医・指導医
  • 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

東田 隆治

  • 成人心臓血管外科全般

外来担当医表

 
午前        
  • 新患:予約制

東田 隆治

 
午後        
  • 予約制

東田 隆治

 

※女性はピンク字で表記

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