薬剤部

薬剤部について

当院は医師、看護師を始めとした医療スタッフとの密な連携が特徴です。薬剤師の役割は、入院から外来まで一貫して患者さんに処方されたお薬が好ましい効果を発揮し安全で安心して使用されるように努めることにあります。

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ご挨拶

患者さんにお薬を供給する薬剤師の使命には大きく分けて次の2つがあります。

1つは,患者さんが自身で服用しているお薬について正しく理解し,その正しい理解に基づいて患者さん自身が納得した上で適切に服用できることを支援するもの,そしてもう1つは患者さんの内服するお薬の内容について,患者さんの状態に基づいて適切なお薬の選択や服用量になるよう,担当医師に対し協力しまた支援することです。

患者さん自身がお薬を適切に服用するには,患者さん自身がそのお薬の性質を正しく理解している必要がありますし,そのためには、薬剤師が患者さんに正しいお薬をお渡しして,そのお薬に関する情報を患者さんの状態に応じて適切に提供した上で,患者さんの疑問や不安に対して分かりやすくかつ正確に説明できなければなりません。また,担当医師に対し適切なお薬の選択や服用量の提案を行うために個々の患者さんについて、その状態を把握し,お薬の効き目や好ましくない作用を評価した上で効き目を最大に、また好ましくない作用を最小にするためにはどうすべきか,との面から将来予測も含めて科学的に評価できる必要があります。

これらに対応するために薬剤師は,お薬に関する最新情報に触れ,病状の推移や飲み合わせを含め様々なケースを想定しつつ,その基本となる知識を増やすことに日々努力しております。

お薬の服用について分からないことや迷いが出たときは、是非、薬剤師にご相談ください。基本は優しく、時には少し厳しく接することがあるかとは思いますが、患者さん自身が納得され、また患者さんにとって最良の服用になるように、薬剤師が最大限支援することを約束いたします

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医療法人社団緑成会 横浜総合病院
薬剤部長谷川 浩司

 

概要

薬剤師 35名(男性 20名 女性 22名 平均年齢 35 歳、常勤 32名、パート 3名)
事務 常勤 2名、パート 5名  SPD 2名
勤務時間 8:45~17:00
勤務体系 4週8休
当直 日当直
病棟業務 全7病棟に薬剤師を常時1名配置(1病棟:2~3名の担当者)
外来処方の院内調剤率 95%
学生実務実習受け入れ状況

沿革

1990年 病棟常駐を開始し、順次各病棟に展開
2005年 抗MRSA薬、抗てんかん薬を中心にTDMを開始
2012年 病棟薬剤業務実施加算を取得
2012年 薬剤師による血液培養陽性例の早期介入を実施
2013年 新規採用薬の危険性に応じた院内使用基準を策定
2014年 病棟におけるプロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)を導入
2016年 外来におけるプロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)を導入

専門・認定取得制度

当院には下記の専門・認定薬剤師が在籍しています。これらの大部分は当院で取得したものです。資格取得・資格維持のための支援体制が確立しています。

博士(薬学)

2名

日本医療薬学会 指導薬剤師 1名
日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師 2名
日本医薬品情報学会 医薬品情報専門薬剤師 1名
日本病院薬剤師会 感染制御専門薬剤師 2名
 日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師 3名
 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 10名
 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1名
 日本静脈経腸栄養学会 NST専門療法士 2名
 日本循環器学会 心不全療養指導士 1名
日本腎臓病協会 腎臓病療養指導士  3名
 日本アプライド・セラピューティクス学会 科学的・合理的に薬物治療を実践するためのワークショップ認定指導者 2名
 日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士 2名
 日本アンチドーピング協会認定スポーツファーマシスト 3名
 日本リウマチ財団 登録薬剤師 4名
 日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症マネージャー 3名
 日本薬剤師研修センター 実務実習指導薬剤師 2名
 日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師 2名
 日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師 1名
 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 4名

業務内容について

医薬品情報部門

医薬品情報室では、院内で採用している薬剤、上市されている薬剤に関する国内外の安全性情報、有効性情報を確認し、適宜医師、薬剤師、看護師に情報を発信しております。

  • 医師、薬剤師、看護師からの薬剤に関する相談窓口となり、薬剤の使用方法、注意喚起に関する情報提供、個々の患者さんに合った薬剤などの情報を提供しております。
  • 新しい薬剤が院内にされる場合の有効性、安全性情報を作成し、薬事審議会(院内で採用する薬剤を審議する場)で医師に提供するとともに、薬剤の危険度に応じて、院内での使用基準(薬剤を安全に使用できるようにするための基準)なども作成しております。
  • 製薬会社の医薬情報担当者からも有効性、安全性情報を入手し、適宜医師、薬剤師、看護師に情報を発信しております。月に1回「DI室ニュース」を発行し、医薬品の適正使用に関する注意喚起も行っております。

中央部門

①外来調剤業務

飲み方、服用時の注意点、注意すべき副作用などの服薬の支援を通じて、新しく始まったお薬の飲み方、薬の飲み間違え、飲み忘れを防止するとともに、個々の患者さんに合ったお薬の提供を通じて、患者さんの生活の質の向上に寄与できることを目標としております。

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  • 外来業務では、医師の処方せんに基づき、お薬を調剤しますが、飲み合わせの悪いお薬、肝機能、腎機能が悪い場合のお薬の選択と量なども確認し、必要に応じて医師と最適な薬剤の選択と量を検討の上、患者さんにお薬を交付しております。またお薬手帳を確認し、他の病院で処方されているお薬と重複がないか、飲み合わせが悪い薬がないかチェックすることで、安全にお薬が使用されるように努めております。

  • 外来では、次回受診日までの日数が長くなるため、新しいお薬が始まった場合、その飲み方や服用に当たっての注意点、注意すべき副作用などをご理解いただくことが重要となります。そのため、窓口では新しく始まったお薬を中心にその作用、飲み方、注意点などを中心にご説明しております。お薬の中には、特に副作用に注意をしながらご使用いただくようなもの(リウマチの治療薬、血液をサラサラにするお薬、抗がん剤 など)もございますので、窓口ではその都度、副作用症状の有無などを確認しながら、お薬をお渡ししております。

  • 入院中に様々なお薬が始まり、お薬の管理に関するトレーニングを十分に行えなかった患者さん、入院中に不安な点などがあった患者さんなどは退院後も引き続き病棟担当者がお薬の管理方法、不安な点などを確認することで、安心してお薬を使用できるように支援しております。患者さんによってはお薬カレンダーなども活用し支援しております。


②注射調剤業務

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  • 注射の処方せんに基づき、入院患者さんの輸液、注射薬の調剤をします。

    注射薬は直接体内に投与する危険性の高い薬剤であるため、特に注意が必要となります。

    そのため、肝機能、腎機能が悪い場合のお薬の選択と最適な投与量、投与する部位、投与速度、配合変化、使用薬の副作用の有無などを病棟薬剤師とは別の視点で確認して、薬剤が安全に使用されるように支援しております。

 

  • また、抗がん剤は適切な環境下で調整をしないと職業被爆という危険性があること、投与量や投与のスケジュールが通常と異なった場合には有効性や安全性に影響が出てしまうこと、副作用の出現状況によっては投与量の調整や中止が必要となることがあるため、細心の注意が必要となります。そのため、薬剤部内の専門のスペースで調整を行うとともに、調整前に使用する患者さんの状態、検査値、投与量、投与のスケジュールを確認し、安全性の確保に努めております。


病棟薬剤部門

病棟における薬剤師業務の目的

​入院から退院するまでの薬物治療を医師とともに考え、個々の患者さんに合ったお薬を提供することで、患者さんの生活の質の向上に寄与することを目標として、日々の業務を行っております。


薬剤師の病棟活動

当院では、各病棟に常時薬剤師を1名配置し、下記の業務を行っております。

  • 患者さんが入院された際に使用されていたお薬の内容の確認

  • お薬の副作用、アレルギーの確認

  • 入院前に使用されていたお薬と、入院後のお薬の中で個々の患者さんに最適なお薬を選択すること

  • 複数のお薬の相性の確認(点滴の配合変化や体内での相互作用に関する確認など)

  • しっかりとお薬をお飲みいただくための服薬支援(お薬の作用、副作用の理解、管理方法など)

  • 病棟における医薬品の管理(個々の患者さんのお薬の管理、点滴薬などの在庫管理)


病棟担当薬剤師の取得資格

  • 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師

  • 日本病院薬剤師会 感染制御専門薬剤師

  • 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師

  • 日本リウマチ財団登録薬剤師

  • 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師

  • 日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法薬剤師

  • 日本腎臓病学会 腎臓病療養指導士
  • 日本骨粗鬆症学会 粗鬆症マネージャー
  • 日本循環器学会 心不全療養指導士
  • 日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士認定資格制度
  • 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師

2階西病棟(内科)

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2階西病棟では、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)・心不全・心臓弁膜症、下肢潰瘍、糖尿病性壊疽を発症された患者さんを中心に薬剤師の専門性を発揮すべく、病棟活動を行っております。具体的には、上記疾患の患者さんの背景に応じたお薬の選択、副作用のモニタリングなどを行っています。

2階東病棟(産科・婦人科、乳腺外科) 

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2階東病棟には、妊婦さん、婦人科や乳腺外科の疾患で手術される患者さん、化学療法(子宮体がん、乳がんなど)を行う患者さんなどが入院されます。

妊娠中や授乳中にも、安全に使用できるお薬の選択に努めています。

手術をされる患者さんには、手術前に休薬が必要なお薬を確認したり、お薬によるアレルギー歴や副作用歴を確認しながら、手術で使用する抗菌薬や痛み止めの検討を行っています。化学療法で抗がん剤の治療をされる患者さんには、お薬の効果やスケジュール、副作用、日常生活での注意点などを説明しています。患者さんが安心してお薬を使用できるように、医師と協力しながら、お薬の選択や投与量の検討を行っています。


集中治療室(ICU)

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ICU病棟は重症肺炎、心不全、心筋梗塞、てんかん重積発作、脳・心臓・消化器・整形疾患の手術後など、集中治療を必要とする患者さんがご入院されます。集中治療室では、種々の症状に応じて様々な薬剤を使用するため、その都度、選択する薬剤を医師と検討しております。また、集中治療時は、肝臓や腎臓などの臓器機能が低下している中で様々な薬剤が点滴で体内に投与されることも多いため、それらの注射薬の最適な投与量、投与する部位、投与速度、配合変化、使用薬の副作用の有無などを確認して、薬剤が安全に使用されるように支援しております。さらに、早期回復を目指した栄養管理なども支援しております。


3階東病棟(脳神経外科、神経内科、泌尿器科)・脳卒中ケアユニット(SCU)

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3階東病棟・SCUでは、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、頭部外傷などを発症され、ご入院された患者さんを中心に薬剤師の専門性を発揮すべく、病棟活動を行っております。特に脳卒中などは、ご高齢の方で多くのお薬を使用している患者さんが多いこと、リハビリの進捗状況によって、点滴からの投与、チューブから投与、粉砕しての服用、通常の錠剤、カプセルなどでの服用と薬剤の投与・調整方法が異なることから、毎日医師、看護師と共同で回診を行い、回診時、薬の効果・副作用、調整方法を確認しております。また、一部の薬剤(てんかんの治療薬など)では、治療の幅と副作用の幅が近いため、採血時に血液中の濃度を測定しながら、安全性を確認しています。さらに、麻痺などの程度によって、お薬の管理方法、服用方法も異なるため、ご本人、ご家族と相談の上で、管理方法(一包化調剤、お薬カレンダーの利用)の支援、お薬の説明に力を入れております。泌尿器科では前立腺の生検、前立腺がんや膀胱がんの手術、透析導入目的で入院される患者さんが多く、検査や手術前後での中止薬や追加薬などの指導を行っています。

3階西病棟(整形外科・歯科口腔外科、創傷ケアセンター)

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3階西病棟では、主に骨折された患者さんが手術や安静目的でご入院されます。

また、下肢潰瘍、糖尿病性壊疽を発症された患者さん、蜂窩織炎などの感染症、抜歯や口腔内感染症などの患者さんもご入院されます。

手術目的の患者さんには、周術期のお薬の管理(血液さらさらのお薬の休薬や、術後の血栓予防のお薬など)や、高齢の患者さんが多いため、入院前から服用されている高血圧や心臓病などの基礎疾患のお薬が正しく投薬されているかの管理も行い、より良い薬物治療を継続できるように支援しています。また、骨折の原因となる骨粗鬆症の治療にも、医師、看護師、理学療法士等とチームを組んで患者さんの骨折予防のために積極的に取り組んでいます。骨粗鬆症治療薬の継続の必要性や、服用方法などを支援して長期に継続できるように努めています。
感染症に対しては、抗菌薬の選択、投与量などについて、医師と相談して早期に治療ができるように支援に努めています。


4階東病棟(内科・循環器・心臓血管外科)

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4階東病棟では、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)・心不全・心臓弁膜症、不整脈などの心疾患を発症された患者さんを中心に薬剤師の専門性を発揮すべく、病棟活動を行っております。具体的には、上記疾患の患者さんの背景に応じた抗凝固薬(血液をサラサラし血栓を予防するお薬)、長期間再発しないために最適なお薬の選択、腎機能に応じたお薬の使用量の調整、感染症に対する最適な抗菌薬の選択、入院後に新たに始まるお薬の効果と副作用、服用していただく目的などを中心に服薬支援を行っております。

特に、循環器領域の疾患は長期的お付き合いとなるため、個々の患者さんの理解度に応じ何度も服薬支援を行うことで、退院後しっかり管理できるよう努めています。

また、内科領域では、肺炎・尿路感染症などの感染症、慢性閉塞性肺疾患を悪化された方、喘息発作の方、糖尿病の治療目的の方、造血器腫瘍(悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、白血病)の方などがご入院されます。病棟薬剤師の主な役割としては、感染症は、発生した臓器や感染された患者さんによっても原因となる菌が異なるため、それぞれに最適な抗菌薬の選択と投与量を医師と検討し、感染症の治療を支援しております。抗菌薬の中には、効果と副作用の幅が近い薬剤もあるため、採血時に血中濃度を確認しながら、安全にお薬を使用できるようにも支援しております。糖尿病の治療目的でご入院された患者さんには、糖尿病の治療薬全般に関するお薬の作用、副作用の説明、副作用が出現した際の対応方法、糖尿病の合併症とその予防方法、インスリンを導入される方にはその使用方法なども説明しております。また、喘息、慢性閉塞性肺疾患の患者さんは長期間に渡り、吸入薬を使用する必要もありますので、吸入薬の手技、発作時に使用する薬剤と症状をコントロールする目的で使用する薬剤の使い分けなども説明し、長期間に渡って上手にお薬と付き合っていけるように努めております。


4階西病棟(消化器内科・外科)

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4階西病棟では、がん(胃がん、大腸がん、膵がん、胆管がん、乳がん)、腹膜炎、腸閉塞などを発症された患者さんが多く入院されます。また、手術を行われる患者さんも多いため、手術前に中止が必要なお薬の確認や、手術時の感染予防に使用する抗菌薬、術後の痛みを緩和するお薬の選択やお薬の量の調整などを医師と共に行っています。さらに抗がん薬による治療を実施される患者さんには、お薬の効果、注意が必要となる副作用とその対策、治療中、日常生活を行う上で注意していただきたいことなどについて説明しております。また、患者さんからのご質問やご不安な点、副作用の症状なども確認しながら、安心して治療を続けられるように支援しております。


専門領域支援チーム

感染症治療に対する薬剤師の支援

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菌血症(血液の中に菌が入ってしまう状態)、肺炎などは生命に直接影響してしまうとても危険性の高い感染症になります。感染症は血液、肺など以外にも髄液、脳、尿路、骨、皮膚など様々な臓器で起こりますが、その原因となる菌(微生物)は患者さんの背景や感染する臓器によって異なるため、それぞれに応じた抗菌薬を使用する必要があります。そのため、国内、海外とも感染症に精通した医師に加えて、専門性の高い薬剤師による治療支援が行える環境作りが行われております。国内では、日本化学療法学会が、感染症治療に精通した薬剤師の養成を目指して、「抗菌化学療法認定薬剤師」という制度を設立しておりますが、当院薬剤部では、現在10名の薬剤師がその資格を取得しており、より専門的な支援をできるような取り組みをしております。
具体的な支援内容としては、各病棟、医薬品情報室に認定薬剤師を配置し、医師や感染症に詳しくない薬剤師が気軽に抗菌薬の選択、原因となる菌を特定するための検査などを相談できる体制、効果、副作用を確認する体制を構築しております。また、特に重症化しやすいと言われている菌血症(血液の中に菌が入ってしまう状態)に対しては、重症化を防ぐ目的で、血液培養から陽性の連絡を薬剤部で受け、医師、病棟薬剤師と使用している抗菌薬の効果、副作用などを確認しております。

 さらに、感染症の種類によっては、使用した抗菌薬の治療期間、合併症の確認なども重要となるため、それらの点についても医師と検討したうえで、支援しております。


がん化学療法に対する薬剤師の支援

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  • 抗がん薬調剤業務
    抗がん薬は、投与量や投与スケジュールが重要であり、効果や副作用に大きく影響します。また、副作用の出現状況や程度により、投与の延期や投与量の調整が必要になります。そのため、薬剤師は細心の注意のもと、用法・用量、併用薬、投与・休薬期間、血液検査などの検査値を確認し、最適な抗がん薬治療を支援できるよう努めています。特に注射薬では、投与量やスケジュールなどがレジメン(治療実施計画書)に基づいて処方されているか、複数の薬剤師が確認を行っています。また、外来・入院で行うがん化学療法で使用する注射抗がん薬は、一括して薬剤部の注射調製室で調製しています。

  • 抗がん薬の服薬指導
    抗がん薬治療を行っている患者さんに対して、適切な薬物治療のために、薬学的視点から支援しています。新たにがん化学療法が開始される患者さんに対しては、抗がん薬の投与スケジュールや服用方法、副作用に関する説明を行います。2回目以降の治療では、副作用などの問題が生じていないか確認し、必要に応じて医師へ投与量の相談や、症状緩和のための処方提案を行い、適切な薬物治療の提供に努めています。

生物学的製剤の使用に対する薬剤師の支援

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生物学的製剤とは、遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて製造された薬剤で、特定の分子を標的とした治療のために使われます。生物学的製剤は、高い治療が期待できる製剤ですが、製剤特有な副作用が報告されています。そのため、薬剤部では、患者さんに安心して適切な薬物治療をおこなって頂くために、電子診療録情報に基づき事前に医師とともに使用の妥当性を評価しています。そのうえで、使用される患者さんには期待できる効果、使用時の注意点、副作用の初期症状、出現時の対応などについて説明し、きちんと製剤の特性を理解された上で使用していただく支援を行っています。

 

教育制度について

薬剤部では、下記のような教育研修体制を構築して、薬剤師の卒後教育の充実を目指しております。

 

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チーム制の導入

主任以上の役職者と経験年数の異なる職員でチームを構成し、困ったことなどがあった際には、身近な先輩に相談できる体制を導入しております。
 

On the Job Training(OJT)の導入

On the Job Training(OJT)とは、業務を通じて必要な知識、技能、態度を習得するという手法です。
当院では、入職後に中央業務の研修を行う間、先輩薬剤師と複数回実践することで、業務に必要な知識、技能、態度を身に付けるという体制を導入しております。
また、病棟担当となった場合は、1~2か月の研修期間を設け、先輩薬剤師とともに病棟業務に必要な知識、技能、態度を身に付けるという体制を導入しております。

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ケースカンファレンスの導入

業務終了後30分程度を目安に各病棟担当者、中央業務担当者がその日に行った
疑義照会の対応例、薬物治療支援の対応例などを報告し、その妥当性についても
検証しております。また、このような報告会を通じて、普段関わりの少ない領域の
知識、技能の習得、情報共有を図っております。
さらに、週1回持ち回りで症例検討会を開催し、各自が積極的に薬物治療支援を
行ったケースについて、その根拠となった情報を示すとともに、各種領域における
薬物治療の支援に対する思考プロセスを学ぶ場としております。
(※参加は個人の自由です。)

 

学会活動を通じた教育体制の導入

当院では、各種業務の質を向上する目的で、関連性のある学会参加を支援するとともに、各種専門・認定者、または認定取得希望者も支援する目的で、毎年、計画的に学会参加、学会発表を支援する体制を構築しております。
一般的には、入職後2年目から業務と関連性のある学会に出張で参加し、入職後3年目以内にかながわ薬剤師学術大会で発表した後に、日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会などでの学会発表を目指し、その後、各専門領域、関連性のある学会への参加、学会発表を通じて、各種領域での専門・認定薬剤師の取得を目指します。
(※学会参加はその内容に応じて出張扱いとなっておりますが、参加は個人の自由です。)

 

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外部研修会への参加

医薬品情報を収集、評価、活用する上で必要となる、薬物動態の基礎知識、文献の評価方法、統計学的知識、薬物治療の評価方法を身に付けることを目的に、「薬物治療塾®」という外部の研修会に、これまで延べ90名程度の職員が積極的に参加しております。 また、神奈川県病院薬剤師会の主催する研修会、日本アプライド・セラピューティクス学会の主催するワークショップにも積極的に参加をして、知識、技能の習得に努めております。 (※参加は個人の自由です。)

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