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疾患と治療について

子宮体がん

子宮体がんとは

子宮

子宮がんは「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分けられます。
子宮体がんは、子宮の奥の赤ちゃんを育てる場所、つまり子宮体部(子宮内膜)に発生するがんを指します。

子宮体がんは次第に子宮の筋肉に浸潤します。さらに子宮頸部(子宮の入口)や卵管・卵巣に及んだり、骨盤内や大動脈周囲のリンパ節に転移したりします。さらに進行すると、腹膜・腸・肺・肝臓・骨などに転移します。子宮体がんは閉経前後の40歳代後半から50歳代前半に発症しやすいといわれていますが、近年、子宮体がんは年齢に関係なく増加傾向にあります。

閉経年齢が遅い、出産歴がない、肥満などが子宮体がんの危険因子です。また、糖尿病、高血圧、乳がん・大腸がんの家族歴との関連が指摘されています。

子宮体がんでは、比較的初期のうちから不正出血が起こります。月経不順との鑑別に注意が必要です。不正出血を認めたら、一度婦人科を受診しましょう。

治療法

子宮体がんの手術は、進行期(ステージ)により子宮と付属器(卵巣と卵管)を摘出する手術、さらに骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節も切除する手術があります。

開腹手術の場合、リンパ節切除を行うと下腹部からみぞおちに達するまでの大変大きな切開が必要となります。大きな切開は術後の痛み、回復の遅れ、癒着による腸閉塞のリスクを伴います。
従来の開腹手術が腹腔鏡下手術になることで、手術の傷は0.5~1㎝程度の傷が4~5ヶ所程度と非常に小さくなり(下図)、それに応じて術後の痛みは非常に少なく、回復は早くなります。出血量は少なく、腸閉塞など術後の合併症も減少します。結果的に入院期間が短くなり、社会復帰も早くなります。

また腹腔鏡は腹腔内を観察しやすく、映像を拡大して手術できるため、開腹手術と比較しても同等あるいはそれ以上の精度で手術が行えます。手術時間は同程度です。
「腹腔鏡下子宮体がん根治手術」は、2008年7月に先進医療に承認され、2014年4月からは保険診療で可能になりました。通常、推定進行期1b期までの方が手術適応となりますが、原則として子宮が腟から取り出せる事が条件となります。適応症例を選択することが非常に重要ですので手術希望の場合は担当医とご相談ください。

この手術では、以下のような傷になります。

開腹手術

開腹手術

腹腔鏡下子宮体がん根治術

腹腔鏡下子宮体がん根治術

実際の写真

手術前

手術前

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手術後

手術後